嘉瀬の桃(読み)カセノモモ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「嘉瀬の桃」の解説

嘉瀬の桃
カセノモモ


職業
民謡歌手

本名
黒川 桃太郎(クロカワ モモタロウ)

生年月日
明治19年

出生地
青森県 嘉瀬村(五所川原市)

経歴
少年の頃より年季奉公に入り、大工仕事を仕込まれるが、主人が庇護した門付けや座打ちなどの芸人を見て、自らも芸を志す。年季が明けたあと大工となるが、津軽三味線の祖と言われる仁太坊(秋元仁太郎)の芸に感銘を受け、29歳の時これに入門。以後、仁太坊の得意とした八人芸(三味線太鼓・笛・歌などを一人で演じる芸)を学びながら、津軽民謡の三つものと呼ばれる「よされ」「小原」「じょんから」を改良し現今の津軽民謡の基礎を作った。生来美声と状況に即して歌詞や節を変える臨機応変さを持ち、独特の節回しは「桃節」と呼ばれて人気を集め、特に「調子変わりよされ節」などを得意としたが、次第に酒と博打におぼれ、45歳で早世した。

没年月日
昭和6年 (1931年)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android