日本歴史地名大系 の解説
因幡守様御領分高并当物成之御帳(蜂須賀光隆領分高并当物成帳)
いなばのかみさまごりようぶんたかならびにとうものなりのおんちよう
一冊
成立 慶安三年
原本 国立国文学研究資料館史料館所蔵蜂須賀家文書
解説 慶安元年元服した蜂須賀光隆は、父で二代徳島藩主忠英から部屋住領として三万石が与えられた。当帳はその内訳を記したもの。阿波分は高一万二千七一八石四斗で、その内訳は名東郡蔵本村・庄村・山地村・早淵村新開・東黒田村・矢三村新開、名西郡南嶋村新開・上浦村新開、板東郡高房村・勝瑞村・奥野村・池之谷村・広島村新開・北村新開・鯛浜村新開・長岸村新開、以西郡下佐那河内村・上佐那河内村・桜間村新開・矢野村新開、板西郡矢武村・五条村・神宅村、麻植郡上浦村・瀬詰村・山路村新開・川田村新開、勝浦郡江田村・大松村・同新田・三間屋村・新居見村・本庄村・渋野村・同新開・中角村・森村・鶴敷地村・星谷村・棚野村・久国村・中山村・横瀬村・与河内村、那東郡黒地村・坂野村新開である。淡路分は一万五千石で、これ以外に給知分が二千二八一石六斗あり、合せて三万石となる。本年貢のほか、夫銀・桑綿・材木・置炭が計上されており、こうした小物成の書上はその村の生産性を知るうえで貴重である。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報