図田帳考証(読み)ずでんちようこうしよう

日本歴史地名大系 「図田帳考証」の解説

図田帳考証
ずでんちようこうしよう

一冊 後藤碩田

成立 弘化四年

解説 後藤碩田は大分郡乙津村に生れ、帆足万里・渡辺重名に師事し、執筆当時は大分郡弁済使であった。豊後国図田帳の当時の流布本であった宇佐本・竹田津本・平林本・三浦本・他本(御注進状案系列)の五種のうち、宇佐本を中心に置き、他本との異同を徹底的に洗い出し、異同のすべてを注記している。考証過程を示す草稿(四点)が碩田の子孫である後藤守崇家(現奈良市)に伝わり、「大分県史料」三五に収録されている。傍証史料の収集状況や推敲過程が明らかにされており、また考証の内容には一、二誤りも指摘されるが、豊後中世史研究上最も信頼すべき史料として利用されてきた。

活字本 編年大友史料(第一輯・正和以前)増補訂正編年大友史料・大分県史料三六

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android