日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際地震工学研修事業」の意味・わかりやすい解説
国際地震工学研修事業
こくさいじしんこうがくけんしゅうじぎょう
国土交通省所管の国立研究開発法人建築研究所に設置されている国際地震工学センター(IISEE)が、国際協力機構(JICA(ジャイカ))とともに開発途上国の研究者・技術者に対して行っている、地震学、地震工学、津波防災などに関する研修事業。1960年(昭和35)に東京大学で開催された研修事業が始まりとされ、1962年に建設省建築研究所(当時)に国際地震工学部(現在の国際地震工学センター)が設置されたことにより、継続実施されることとなった。開発途上国から毎年、地震学、地震工学の研修生がそれぞれ10名くらいずつ来日し、ここで1か月~1年間勉強する。これまでに卒業した学生は2016年(平成28)9月までに、100か国1751名に達し、各国に帰って地震学、地震工学の発展のために活躍している。1963年9月から1972年8月まではユネスコ(国連教育科学文化機関)と日本政府の共同でこの事業が推進された。
[宇佐美龍夫・編集部 2017年10月19日]