日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際天文学オリンピック」の意味・わかりやすい解説
国際天文学オリンピック
こくさいてんもんがくおりんぴっく
International Astronomy Olympiad
天文学に関する問題を解く能力を競う国際大会。国際科学オリンピックの一つである。略称IAO。14歳から18歳までの中学生と高校生が対象。自然科学や天文学の普及を図るとともに、天文学に秀でた生徒を発掘することを目的に行われている。1996年にユーラシア天文学会(Euro-Asian Astronomical Society)によって創設された大会で、ロシアで行われた第1回大会には4か国が参加した。以降毎年1回、参加国の持ち回りで大会が開催されている(2020年の大会は新型コロナウイルス感染症〈COVID(コビッド)-19〉の感染拡大のため2021年に延期のうえ、オンラインで開催された)。参加国の代表選手は5人以内で、優秀な成績を収めた者には、金、銀、銅のメダルが贈呈される。日本は2022年にオンラインで開催された第26回大会に、初めて選手団を派遣した。
試験は理論、実地、観測の3種目が最低8日間の日程で行われる。3種目の合計は100点。そのうち問題数が4問から6問と多い理論が60点、実地と観測はそれぞれ1問か2問で、各20点が割り当てられている。
[編集部]