土取
つつとり
[現在地名]富江町土取郷
職人町の南東にあり、東部は海に面する。倭寇の拠点の一つであったとされ、石塁が残る。近世は富江村の枝郷。寛文二年(一六六二)五島氏の富江陣屋を築く際に埋土をとったところから、この地名が名付けられたといわれ、土木工が多く居住し、職人町の管轄であった。牧場が置かれたため木戸の地名が残る。また漁業が盛んで、土取から山崎海岸にかけて行われる筌漁(すけ漁とも)は、海岸に三尺ほどの半月形の石垣を設けて潮の干満を利用して魚を捕らえるもので、古い筌構が確認されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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