土門拳賞(読み)ドモンケンショウ

デジタル大辞泉 「土門拳賞」の意味・読み・例文・類語

どもんけん‐しょう〔‐シヤウ〕【土門拳賞】

土門拳を記念し、昭和56年(1981)に創設された写真賞。前年に発表された写真集や写真展などの作品対象とする。

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知恵蔵 「土門拳賞」の解説

土門拳賞

日本の主要な写真賞の一つ。土門拳の業績を記念して、毎日新聞社の創刊110周年記念事業として、1981年に制定された。授賞対象は、プロ・アマチュアは問わず前年1月から12月までの間に作品(写真集、写真展など)を発表し、優れた成果を上げた中堅の写真家とする。発表は3月下旬の毎日新聞紙上で行い、「サンデー毎日」(4月上旬発売号)で作品を紹介する。木村伊兵衛写真賞が「写真界の芥川賞」といわれるのに対して、土門拳賞は「写真界の直木賞」と形容されることもある。2008年の審査員は江成常夫内藤正敏野町和嘉赤瀬川原平、毎日新聞社出版局長の五人。
 これまでの受賞者と対象となった作品・活動は以下の通り
第1回(1982年) 三留理男 「ケニア飢餓前線」「アコロ」「国境を越えた子供たち」
第2回(1983年) 内藤正敏 「出羽三山と修験
第3回(1984年) 野町和嘉 「バハル」「サハラ悠遠」
第4回(1985年) 江成常夫 「シャオハイの満州」「百肖像」
第5回(1986年) 新正 卓 「遥かなる祖国」及び写真展
第6回(1987年) 管 洋志 「バリ・超夢幻界」
第7回(1988年) 西川 孟 「ひと・もの・こころ」
第8回(1989年) 津田一郎 「無名地帯・奥の細道
第9回(1990年) 宮崎 学 「フクロウ
第10回(1991年) 十文字美信 「黄金風天人」
第11回(1992年) 今枝弘一 「ロシアン・ルーレット」
第12回(1993年) 長倉洋海 「マスード 愛しの大地アフガン」
第13回(1994年) 南 良和 「秩父三十年」
第14回(1995年) 鈴木 清 「修羅の圏(たに)」
第15回(1996年) 砂守勝巳 「漂う島とまる水」
第16回(1997年) 須田一政 「人間の記憶」
第17回(1998年) 本橋成一 「ナージャの村」写真展、映画
第18回(1999年) 水越 武 「森林列島」
第19回(2000年) 金村 修 「BLACK PARACHUTE EARS, 1991-1999」と一連の写真活動
第20回(2001年) 大石芳野 「ベトナム凜と」
第21回(2002年) 百瀬俊哉 「東京=上海」
第22回(2003年) 広河隆一 「写真記録 パレスチナ
第23回(2004年) 鬼海弘雄 「PERSONA」
第24回(2005年) 坂田栄一郎「PIERCING THE SKY―天を射る」
第25回(2006年) 内山英明 「JAPAN UNDERGROUND3」「東京デーモン」
第26回(2007年) 中村征夫「海中2万7000時間の旅」
第27回(2008年) 土田ヒロミ「土田ヒロミのニッポン」

(神田憲行 ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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