…オリンピック参加の体験を素材にした青春小説《オリンポスの果実》(1940)によって池谷信三郎賞を受ける。戦後は共産党に入党,沼津地区委員長となるが,1年ほどで離党,《地下室から》(1948)などで,戦後の革命運動を内部から批判的に告発した。48年の太宰治の死に衝撃を受け,そのころから生活は乱脈をきわめるようになるが,みずからの戦中・在朝鮮体験を検証した《酔いどれ船》(1948)や荒廃した生活をみつめた《野狐》(1949)などには,作者の純真無垢な魂が感じられる。…
※「地下室から」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」