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行政法 ぎょうせいほうadministrative law

6件 の用語解説(行政法の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

行政法
ぎょうせいほう
administrative law

行政に特有な国内公法。この点において,私人相互の間に適用される私法 (民法・商法など) ,対外行政を規律する国際法,国家全体の立場から行政を一部門として定める憲法などは除外されるが,最近,公法・私法の別を問わず行政に関する特有の法を行政法と理解する見解が現れている。

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デジタル大辞泉の解説

ぎょうせい‐ほう〔ギヤウセイハフ〕【行政法】

行政の組織と作用に関する法の総称。特に、行政権の主体である国または地方公共団体と国民との関係を定める法規

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百科事典マイペディアの解説

行政法【ぎょうせいほう】

行政権の作用と組織に関する法規の全体。行政権の恣意を防止するために近代法治国家において発展した法体系で,国や公共団体が国民生活の安全と福祉を図るため,公権力をもって国民に命令・強制を加えたり,公共施設を設置管理してサービスを行ったりする活動とその組織に関する法規の総称。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょうせいほう【行政法 administrative law】

行政法とは,わかりやすくいえば,行政を行う組織,行政活動およびそれらに関する紛争処理ないし行政救済を内容とする法である。現代社会に生活する者は,好むと好まざるとにかかわらず,その日常の社会・経済生活において,国や都道府県市町村はもちろん,各種公社,公団,公庫,金庫などの公共団体の諸活動,とくに行政活動と密接に関係している。道路交通・風俗営業取締りをはじめとする各種警察行政,河川,道路,公園などの管理や都市計画,建築規制などにみられる生活環境整備行政,公害の防止・絶滅に向けた公害行政,各種の社会保障社会福祉や医事衛生,教育などに関する行政,電気,ガス,水道や郵便,電信電話,運輸などの日常の生活手段の整備,提供に関する行政,中小企業や消費者の保護のための行政,貿易,外国為替の管理や独占禁止などの企業活動規制行政など,どれをとってみても,現代生活にとっては不可欠のものである。

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大辞林 第三版の解説

ぎょうせいほう【行政法】

行政の組織とその作用を規定する法のうち、行政に関する特殊な公法の体系。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行政法
ぎょうせいほう
administrative law

行政権の組織および作用に関する法の総称。内閣が行政を行うにあたって、具体的に国のどのような機関(役所)が担当するか、その機関はどういう仕組みであるか、機関と機関との関係はどのようなものであるか(これらについて定めたものは行政組織法とよばれる)、また行政の目的を実現するため国の機関が法律を適用し実施するについては、国民との間にどのような法律関係が形成されるか(これは行政作用法とよばれる)などを定めた法律のすべてが行政法である。民法や刑法などと異なり、「行政法」とよばれる統一的な法典があるわけではなく、行政の範囲が広いため、種々の内容や目的をもった多くの法律から成り立っており、これらを一般に行政法とよんでいる。
 このような行政法は、権力分立主義を前提として、行政権を立法によって制約する、すなわち行政権の恣意(しい)を防止するため、法律によって国の行政を行い(法律による行政の原則という)、国民の権利や自由を守ること、機関との権限と責任の範囲を明確にし能率を高めることを目的として観念せられたものである。
 これに対し、従来の行政法学で行政法という場合には、行政に関する特殊固有な法、すなわち、私人間の生活上の利害関係を調整する私法と異なる行政に関する「公法」だけをさす意味で用いられた。この意味での「行政法」の観念は、行政裁判制度をもつフランス、ドイツなどにおいて生成・発展してきた。フランスでは、行政権を司法権による抑圧・干渉から守るために行政裁判所が設けられ、その判決例によって、一般私法の法原理(公法原理)がしだいに認められるようになり、行政に固有の法体系としての行政法が発達した。この法理がドイツその他の大陸諸国に受け入れられた。
 これに対し英米法系の諸国では、原則としてこのような特殊な行政法体系を認めないが、近時、行政活動の分野が拡大し複雑になるにしたがって、技術的な要請から、特殊の行政分野に、いわゆる行政委員会の制度の発達をみるに至り、しだいに新しい意味の行政法の形成がみられつつある。
 日本では、近代国家体制の成立とともに、この大陸法的制度を移入し、明治憲法の下では、行政法は行政主体と国民との間を規律する行政に特殊固有の法であるとし、これに関する裁判にあたるために、行政裁判所が設置された。これに対して日本国憲法の下では、イギリス、アメリカ合衆国に倣い、行政裁判所は廃止され、法律上の争いはすべて司法裁判所において裁判されることになったが、明治憲法の下で形成されてきた特殊の公法原理は否定されてしまったわけではない。ただ明治憲法の下では、行政作用の範囲が比較的狭隘(きょうあい)であったこと、行政作用の中心が権力的な作用であったことなどとも関連して、公法は私法とはまったく異なった法であるとし、公法原理の特殊性が強調されがちであった。ところが日本国憲法の下では、行政作用が国民生活のあらゆる分野にわたって広範に行われるようになり、とくに国民のためのサービスが重視されるようになるにつれ、公法と私法との区別の相対性が強調され、特殊の公法原理がしだいに否定または軽視される傾向にある。しかし、それでも、行政権が国民に対して権力的・一方的に命令し、強制する場合(たとえば警察処分・租税賦課徴収処分)、または一般的には私法原理に服すべきものとしながら、とくに公益上の考慮を必要とする場合(たとえば公物・営造物の管理・運営)には特殊の制度を設け、公法原理の適用を認めるのが、現在の一般的な考え方である。
 行政法に関する最近の現象としては、計画行政とか指導行政などの新しい行政作用の型の出現がある。いずれも国民生活に行政が積極的に介入するという行政作用の拡大に伴って生じた現象であるが、「法律による行政の原理」の例外をなすものであり、それに対する民主的コントロールをどうするかという新しい問題が論議の対象となっている。いずれにしても、行政法は、近代国家の生み出した新しい、しかも年々発展し拡大する法分野であり、加えてその規律の対象が非常に広範多岐であるため、民法典や刑法典のような行政法典を設けることはきわめて困難で、行政法の全般にわたる通則的な法典は、まだ制定されるに至っていない。[池田政章]
『田中二郎著『法律学全集6 行政法総論』(1958・有斐閣)』

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世界大百科事典内の行政法の言及

【法律による行政】より

…行政は法律に基づき,かつ法律に違反してはならないという原理。近代的・現代的法治国家の行政法の分野におけるもっとも基本的な原理であって,刑法の分野における罪刑法定主義に対応するものである。 〈法治行政の原理〉または〈行政法における法治主義〉ともいう。…

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