地体構造(読み)ちたいこうぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地体構造」の意味・わかりやすい解説

地体構造
ちたいこうぞう

地質学用語。次の二つのことをさす。(1)島弧・前弧海盆・背弧海盆・海溝大洋底海嶺(かいれい)・大陸・造山帯・安定地塊などを構成する、地球表層(おもに地殻)の大規模な地質単元、すなわち地質体の時間的・空間的相互関係と配置。(2)ある一つの大規模な地質体、たとえば造山帯を構成する火山帯褶曲(しゅうきょく)帯・変成帯などの、より小さな地質体相互の時間的・空間的関係と配置。

 これらの地質体の相互関係や配置の形成史および形成機構は、プレートテクトニクスによって説明されることが多い。地体構造を論じる学問分野を地体構造地質学tectonics or geotectonicsとよび、とくにそれを地球規模で論じる分野をグローバルテクトニクスglobal tectonicsとよんでいる。

[吉田鎮男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の地体構造の言及

【地質構造】より

…地球上の岩石や地層がいったん形成されたあとで,移動,回転,変形,破壊などの作用により,もとの姿勢,配列,相対的な位置関係などが変化してできた内部形態の総称。規模の大小を問わず,人が直接観察できる露頭ほどのものから全地球規模の構造まで含まれるが,このうち,たとえば日本列島の構造を総括的に論ずるような場合には地体構造geotectonicsという語も用いられる。地質構造を形成した運動が造構造運動であり,できあがった構造の特徴によって,褶曲運動,断層運動,造山運動造陸運動,造盆地運動などと呼ばれる。…

※「地体構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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