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褶曲 しゅうきょく fold

翻訳|fold

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

褶曲
しゅうきょく
fold

地層や変成岩など層状構造をもつ岩体が圧縮,変形されて,波曲状の形態を呈する地質構造。単位褶曲は互いに平行または雁行していることが多い。大規模な褶曲は造山帯の造構運動によって生じたもので,褶曲山脈の基本的な地質構造である。

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デジタル大辞泉の解説

しゅう‐きょく〔シフ‐|シウ‐〕【×褶曲/×皺曲】

[名](スル)平らな地層が地殻内部のひずみによって横圧力を受け、しわを寄せたように波形に曲がること。また、その状態。「―作用」

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百科事典マイペディアの解説

褶曲【しゅうきょく】

地層や板状の岩体が波のように曲がっている構造(褶曲構造)。そのような構造を形成させる変形作用を褶曲作用または褶曲運動という。ふつう地層や変成岩体など層状構造をもつ岩体に見られるが,時には岩脈や火成岩体にも見られる。
→関連項目向斜褶曲山脈背斜落盤

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅうきょく【褶曲 fold】

地層や岩体が力を受けて変形し,湾曲したとき,その構造を褶曲といい,褶曲をつくる変形作用を褶曲作用という。したがって,地形に沿って火山灰や軽石が降り積もったような場合は,曲面状にみえるけれども褶曲とはいわない。また,花コウ岩のように均質な火成岩体では,層理面のような基準となる面構造に乏しいので,褶曲を見いだすことはむつかしい。しかし,火成岩体が褶曲しないわけではない。一般に,褶曲というと,造山運動など造構作用に伴って後生的に形成されたものを指すことが多いが,堆積時や堆積直後の海底地すべりによって形成されたものもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

褶曲
しゅうきょく
foldfolding

地層中の層理面や面構造(片理・劈開(へきかい)など)が波曲しているもの。もっとも普通にみられる褶曲は、堆積(たいせき)岩の層理面が波曲してできた褶曲である。波曲の大きさは、波長で測って、マイクロメートル大から10キロメートル大まである。[吉田鎮男・村田明広]

褶曲の成因

褶曲構造の成因には以下に述べるように、(1)の造構力によるものと、(2)~(4)の重力によるものとがある。
(1)地殻に働く圧縮力(造構力)によって地層が短縮し褶曲する(褶曲山脈など)。
(2)いったん水平に堆積した地層が、十分固結しないうちに海底地すべりをおこし、それに伴って褶曲する(スランプ褶曲)。
(3)不透水性の泥層と泥層との間に挟まれた砂層の間隙(かんげき)水圧は、その上に累積している地層の荷重によりしばしば異常に高くなる。このとき、地震動などがおこると砂層のみが動揺、流動して褶曲が生じる。このような褶曲をコンボリューションconvolutionとよぶ。
(4)急傾斜している山腹において、山腹表層の岩石(厚さ数メートルから数百メートル)は風化の進行に伴って谷の方向にゆっくりと、たとえば1000年につき数センチメートルといった速度で流動的に移動する(岩盤クリープ)。このとき、層理面や片理面に沿ってスリップをおこし、重ねたカードを曲げたような褶曲が生じる。[吉田鎮男・村田明広]

造構力による褶曲

造山帯の褶曲山脈などに発達している褶曲には、造構力によって形成されたものが多い。褶曲山脈をつくるような造構力は、プレートとプレートの衝突によって生じる。アルプス山脈、ヒマラヤ山脈、日本列島、アパラチア山脈、アンデス山脈などは、すべてプレートの衝突域である。
 造構力によって形成される褶曲の形成メカニズムや褶曲様式は、岩石のダクティリティductility(延性度)によって異なり、地層が延性的に挙動したり、脆性(ぜいせい)的に挙動したりする。ダクティリティが大きければ、岩石は流動的に変形し、小さければもろく破断しつつ変形する。岩石のダクティリティは、岩種、温度、封圧(静水圧)、歪(ひずみ)速度などの物理条件によって変化する。ダクティリティの異なる地層が重なり合っている場合(たとえば砂岩と泥岩の互層)、褶曲に際してそれぞれの層の変形挙動が異なるため、層と層の間ですべりが生じる。一般に、温度が高くなるほど、また歪速度が遅くなるほど、岩石のダクティリティは大きくなり、水飴(みずあめ)のように流動的に褶曲するようになる。一つの褶曲山脈において、これらの物理条件は一様でなくかなり大きく変化するために、様式においてもスケールにおいても多種多様な褶曲が形成される。[吉田鎮男・村田明広]

褶曲の分類

褶曲は、(1)褶曲軸面の傾斜、(2)翼(よく)間角、(3)断面の形態、(4)対称性、(5)褶曲のメカニズム、などの基準で分類され、個々の褶曲の形態などが議論される。
(1)各地層の褶曲の曲率がもっとも大きい部分を連ねた面を褶曲軸面といい、この傾斜により分類される。軸面の傾斜が90度のときは正立褶曲、軸面が傾斜しているときは傾斜褶曲、片方の地層が逆転しているときは転倒褶曲、軸面がほとんど水平のときは横臥(おうが)褶曲とよぶ。
(2)褶曲の軸面から離れた曲率の緩くなる部分を翼といい、両側の翼のなす角度で分類される。一般的に、両翼の角度が70度以上のときは開いた褶曲、10~70度のときは閉じた褶曲、0度に近いときは等斜褶曲とよぶ。
(3)褶曲軸に直交する断面の形態で分類される場合、層理面に直交して測った地層の厚さが褶曲のどの部分でも同じときは平行褶曲、褶曲軸面に平行に測った地層の厚さがどの部分でも同じときは相似褶曲とよぶ。また、褶曲した地層が円弧の一部の形態をとるときは同心褶曲、翼部が平面的で軸部がとがっているときはキンク褶曲とよぶ。キンク褶曲のうち、両翼の長さが等しいものはシェブロン褶曲とよぶ。
(4)褶曲軸に直交する断面で、軸面の両側が対称なら対称褶曲、非対称なら非対称褶曲とよぶ。
(5)褶曲のメカニズムにより分類される場合、地層の横方向から圧縮され褶曲したものはバックリング(座屈褶曲)buckling fold、地層と直交する方向から力が加わって褶曲したものはベンディング(横曲げ褶曲)transversal bending foldとよぶ。地層に平行な弱線部ですべることによって歪を解消しながら褶曲するのはフレクシュラルスリップ(曲げスリップ褶曲)flexural-slip fold、地層面に平行に単純剪断(せんだん)が生じるのはフレクシュラルシアー(曲げシアー褶曲)flexural shear fold、単純剪断の生じる面が層理面と斜交するのはオブリークシアー(斜めシアー褶曲)oblique shear foldとよばれている。[吉田鎮男・村田明広]

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世界大百科事典内の褶曲の言及

【活褶曲】より

…地層が波状に変形した構造を褶曲といい,この変形構造をつくる作用が現在まで継続している場合,その変形構造を活褶曲という。活褶曲の研究は1940年代初頭の大塚弥之助の研究に始まる。…

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