地方計画(読み)ちほうけいかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地方計画」の意味・わかりやすい解説

地方計画
ちほうけいかく

都市問題のように特定地域へ集積した社会問題を解決するため,その計画の範域を拡大し,広域的に処理する計画,または国土計画の下位計画としての性格をもつ計画をいう。まず都市問題解決から要請される地方計画とは,都市への人口と諸機関の集中集積による交通の混乱住宅難,衛生環境の悪化などを,大都市郊外に衛星都市的な副中心を設定し,中心都市の機能を分散することにより解決しようとするものである。こうした地方計画は 1898年 E.ハワードにより田園都市論として提起され,このモデルは 1903年にロンドン近郊のレッチワース市として実現した。日本では 50年と 56年にそれぞれ首都建設法と首都圏整備法が制定され大都市圏の整備計画が進められている。次に,国土計画の下位計画としての地方計画にはアメリカのテネシー川流域開発計画や第2次世界大戦後の日本の国土総合開発などがある。これらは動力源の開発により,その流域地方の開発を意図したものである。これに対して,1960年代の全国総合開発は地方都市の経済圏開発に中心がおかれていた。

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世界大百科事典(旧版)内の地方計画の言及

【地域計画】より

…地域の開発,利用,保全などのための計画。対象とする地域の広狭により,国土計画,地方計画,広域都市計画,都市計画などの名称でよばれるが,これらのうち地方計画(地方ブロックないし県ぐらいの大きさの地域の計画)と同義に地域計画という言葉を用いることも多い。 地域計画は,地域社会の生産,環境などの基盤をなす公共・公益施設を整備し,合理的な土地利用を誘導し,またそのために必要な規制を図るなど,人間活動の物的面の環境条件の創出,改善をその中心的な課題とする。…

※「地方計画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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