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地球市民 ちきゅうしみん global citizen

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知恵蔵2015の解説

地球市民

20世紀前半までの近代では、「国民」をアイデンティティーの軸とすることが一般的だった。だが核兵器の開発は「人類」共滅の意識を生み、環境問題の深刻化は「地球」的な生態系への関心を強めた。また、この「地球は1つ」という意識は、南北ギャップへの関心も高めた。だが国家や企業は、核軍拡競争経済成長競争という形でこうした地球的問題を引き起こしはしたが、地球的視点で問題解決に取り組む行動主体にはならない。そこで1970年代から、地球的視点で行動する主体として「地球市民」が登場する。その意味で「地球市民」とは、昔からあった抽象的・理念的な「世界」「人類」とは違い、物質的条件に迫られ、生存をかけた意識である。ただ、それはまだ意識のレベルであって、行動はローカルに根を持ち、国境を超えるトランスナショナルではあっても一挙にグローバルではない。しかしそうした行動が、国家や「国民」の在り方を変えていくことは間違いない。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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