坂本浩然(読み)さかもと・こうねん

朝日日本歴史人物事典 「坂本浩然」の解説

坂本浩然

没年:嘉永6.8.26(1853.9.28)
生年:寛政12(1800)
江戸後期の医者,本草家。名は直大,浩然は通称。号は浩雪,蕈渓,桜子,香邨。父は和歌山藩医兼本草鑑定の坂本純庵。父に医学を,曾占春に本草学を学び,摂津高槻藩主永井氏に仕える。画をよくし,純庵の『百花図纂』や遠藤通の『救荒便覧後集』の図を描く。天保6(1835)年に刊行した『菌譜』2巻は食菌,毒菌,芝類計56種の図説で江戸時代の菌蕈の類書中もっともすぐれたものである。幕臣久保帯刀の麻布長者ケ丸の桜園のサクラ136品を写生した『桜譜』(1842)や,ユリ類30品を描いた『百合譜』を残した。種樹家増田金太郎とも親交があった。<参考文献>上野益三『日本博物学史』

(遠藤正治)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android