坂門郷(読み)さかとごう

日本歴史地名大系 「坂門郷」の解説

坂門郷
さかとごう

和名抄」高山寺本・刊本ともに訓を欠く。欠年の勘籍歴名(正倉院文書)に「大倭国平群郡坂門郷」とあり、天平一九年(七四七)の法隆寺伽藍縁起並流記資財帳には「同郡坂戸郷岳一地、東限平群川、南西限久度川、北限志比坂路」と記す。永承元年(一〇四六)の僧長仁公験紛失状案(法隆寺文書)、延久二年(一〇七〇)の興福寺雑役免帳、応永一三年(一四〇六)の法華寺田畠本券(菅孝次郎所蔵文書)などによると、坂門郷・坂戸さかと郷は平群郡八条九―一三里、九条九―一二里、一〇条九―一一里、一一条一〇里の広範な地域にわたり、現生駒郡斑鳩いかるが町大字法隆寺ほうりゆうじ興留おきどめ五百井いおい服部はつとり小吉田こよしだ稲葉車瀬いなばくるませ竜田たつた神南じんなんなどに相当。


坂門郷
さかとごう

「和名抄」に「坂門」と記され、訓を欠く。「新編常陸国誌」に「按ズルニ、今ノ茨城郡飯岡村是ナリ、此地ニ小宅氏ノ墟アリ、コレヲ坂戸山ト云、常陽四戦記、是城ヲ呼デ新治郡坂戸城トス、且天文中城主小宅氏ノ妻、佐竹氏ガ伝写セル日光三所本地物語ノ巻尾ニ、或人書シテ云フ、坂戸郷飯岡村云云トアリ、坂門、坂戸其訓同ジキヲ以テ、古ノ坂門郷ナルコト分明ナリ」とあり、現西茨城郡岩瀬町西飯岡にしいいおか比定する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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