日本歴史地名大系 「新編常陸国誌」の解説
新編常陸国誌
しんぺんひたちこくし
六一巻 中山信名著
分類 地誌
原本 静嘉堂文庫
解説 江戸時代前期に編纂された「古今類聚常陸国誌」を補正・拡充するために国学者中山信名(一七八七―一八三六)が著した常陸国の総合史誌。建置沿革・山川・郡名・郷里・庄保・関梁(付行路)・神社・仏寺・故城・故蹟・城池・人物・官職・氏族・文苑・流寓・風俗・方言・土産・誌料付録・形勝・貢賦考・十本扇・弁草紙から成なる。信名は没するまで補訂を加えたが、完成に至らなかったので、明治時代に水戸出身の史学者栗田寛が、土浦の国学者色川三中の訂正本にさらに大幅な増補・修訂を加え一四四巻として完成。修訂版のうち都邑・村落・文書の三部門は原著になく、建置沿革・神社・仏寺・官職などにも増補の部分が多い。江戸時代の国誌として全国的にも屈指の成果であり、常陸地方史研究の第一の手引書として現在もその学問的価値はすこぶる高い。
活字本 「新編常陸国誌」上・下(明治三二年・三四年)ほか
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報