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垂直的公平 すいちょくてきこうへい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

垂直的公平
すいちょくてきこうへい

税負担の公平性の基準をいう。垂直的公平は,能力の高い者ほど税の負担能力も高く,より納税額が大きいのが公平であるという考え方であり,所得税の累進性の根拠ともなっている。一方,同じ所得水準にあり,同じ租税能力のある者については,同じ税額が徴収されるのが公平であるという考え方を水平的公平という。所得税の捕捉をめぐり,給与所得者は源泉徴収で所得のほとんどが捕捉されるのに対し,申告所得者が過小申告を行なうとこの公平性は満たされなくなり,いわゆるクロヨンといった現象を招きかねない。これに対して消費税は,同額の消費には同額の税額が徴収されるという意味では,水平的公平性が満たされる税といえる。

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世界大百科事典内の垂直的公平の言及

【租税】より

…能力説は所得税の累進性を求めるが,しかし累進度の決定には失敗している。とはいえ,同じ経済力の人々には同じ税負担を課すという〈水平的公平〉と,異なった経済力の人々には異なった税負担を課すという〈垂直的公平〉という概念は,能力説から生まれた基準として広く受け入れられている。 このような租税哲学もたいせつであるが,現実には〈クロヨン〉(所得税の所得捕捉率がサラリーマン9割,自営業者6割,農家4割)などと呼ばれる課税所得の捕捉率のアンバランス,すなわち税務行政上の不公平が問題となっている。…

【租税理論】より

…公正な分配との関係における最適課税の問題は,学説史的にはJ.S.ミル,F.Y.エッジワース,A.C.ピグーらによって代表される〈能力説〉にその萌芽を見いだしうる。この能力説は,等しい能力をもつ人々は等しく支払うべきであるという〈水平的公平〉と,大きい能力をもつ人々が多く支払うべきであるという〈垂直的公平〉の達成を要求している。効率的な資源配分との関係における最適課税の問題はE.バローネ,J.G.K.ウィクセル,リンダールErik Robert Lindahl(1891‐1960)らの〈利益説〉の論者によって取り上げられた。…

※「垂直的公平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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