日本歴史地名大系 「垂裕神社」の解説
垂裕神社
すいようじんじや
[現在地名]甘木市野鳥 館ノ尾
秋月藩陣屋(秋月城)跡の南側にあり、秋月藩初代藩主黒田長興の霊を祀る。旧県社。垂裕は「すいぎょう」ともよむ。安政六年(一八五九)に秋月藩一〇代藩主黒田長元が京都吉田家から藩祖長興の神霊神号(垂裕明神)を得て、上秋月八幡宮に合祀したことに始まる。藩主の命を奉じたのは上秋月八幡宮の宮司宮永保親で、神号許可に際し、長元は当社に社領二五石を献納している。元治元年(一八六四)長興の二百回忌にあたり陣屋敷地内に祠(梅園御殿茅葺仮屋)を建て、上秋月八幡宮から遷座した。明治五年(一八七二)には社殿の建造が計画され、土地の所有問題で頓挫したが、翌六年春に現在地に着工、同年五月に落成した。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報