精選版 日本国語大辞典 「垣破」の意味・読み・例文・類語
かき‐やぶり【垣破】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 ) ( 垣のある所でも破って通ろうとする意。「かきやぶりに」の形で用いることが多い )
- ① 是が非でも無理をおし通そうとすること。強引であること。また、そのさま。
- [初出の実例]「やぶる心をねずみにたとへ給ふことは、人の心のいましめなり〈略〉ゑびすのごとく、かきやふりなる事あるは、ねずみのごとしと申すべし」(出典:御伽草子・隠れ里(室町時代物語集所収)(江戸初))
- 「儒医〈略〉ばけ物ばなしなどのやうなことを、かきやぶりにいふ物でござんす」(出典:評判記・難波鉦(1680)六)
- ② ひたむきなこと。一途。一概。
- [初出の実例]「そのようにかきやぶりにはいはぬものじゃ。此所をかんだといへど、目のよき衆が有といふた」(出典:咄本・百登瓢覃(1701)四)