化学辞典 第2版 「塩化ニトロイル」の解説
塩化ニトロイル
エンカニトロイル
nitroyl chloride
NO2Cl(81.46).塩化ニトロキシル(nitroxyl chloride)ともいわれた.クロロ硫酸と無水硝酸との反応や,濃硫酸と濃硝酸の混合物にHClを反応させると得られる.気体は無色,液体は黄色.N中心の平面三角形型分子.密度1.4 g cm-3(液体).Cl-N約1.84 Å,N-O約1.20 Å.∠O-N-O約130°.腐食性があり,塩素のような臭いがある.融点-145 ℃,沸点-14.3 ℃.120 ℃ 以上で分解してHNO3とHClになる.反応性が大きく,まれに有機物とはげしく反応する.有毒で皮膚をおかす.有機合成のニトロ化剤,塩素化剤に用いられる.[CAS 13444-90-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報