臭い(読み)クサイ

デジタル大辞泉 「臭い」の意味・読み・例文・類語

くさ・い【臭い】

[形][文]くさ・し[ク]
不快なにおいを感じる。いやなにおいがする。「ごみ捨て場が―・くにおう」「息が―・い」
疑わしいようすである。怪しい。「あのそぶりはどうも―・い」「―・い仲」
演劇などで、せりふの言い方や動作が大げさすぎてわざとらしい。「―・い芝居
[接尾]《形容詞型活用[文]くさ・し(ク活)》名詞またはそれに準じるものに付く。
…のようなにおいがする意を表す。「汗―・い」「こげ―・い」
…のようなようすであるの意を表す。「年寄り―・い」「インテリ―・い」
上にくる語の意を強める。「けち―・い」「てれ―・い」
[派生]くさがる[動ガ五]くさげ[形動]くささ[名]くさみ[名]
[下接語]青臭い汗臭い阿呆あほ臭いいそ臭い田舎臭い陰気臭い胡散うさん臭い白粉おしろい臭い男臭い女臭いかな臭いかび臭いきな臭い吝嗇けち臭い焦げ臭い酒臭いしち面倒臭い邪魔臭い洒落しゃら臭い熟柿じゅくし臭い小便臭い素人臭い辛気しんき臭いえ臭い乳臭い土臭い照れ臭い泥臭いどん臭い糠味噌ぬかみそ臭いのろ臭い馬鹿ばか臭いバタ臭い半可臭い人臭い日向ひなた臭い貧乏臭い古臭い分別臭い仏臭い抹香臭い水臭い面倒臭い野暮やぼ臭い(ぐさい)なま臭い寝臭い物臭い
[類語]1青臭い生臭い血生臭い汗臭いかび臭い抹香臭い・薬臭い・きな臭い焦げ臭い鼻を突くにお/(2怪しい疑わしいいぶかしいいかがわしい胡散臭い怪訝眉唾物不明朗

におい〔にほひ〕【臭い】

《「匂い」と同語源》
嗅覚を刺激する、不快なくさみ。悪臭。「どぶの臭い
いかにもそのような感じ・気配。特に、好ましくないものについていう。「犯罪臭いがする」
[類語]悪臭異臭臭気臭み激臭腐臭刺激臭汚臭死臭口臭体臭

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「臭い」の意味・読み・例文・類語

くさ・い【臭】

  1. [ 1 ] 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]くさ・し 〘 形容詞ク活用 〙
    1. 鼻に不快なにおいを感ずる。いやなにおいがする。
      1. [初出の実例]「茨田池水漸々(ややくに)変りて白き色と成りぬ。亦、(クサキ)(か)無し」(出典日本書紀(720)皇極二年九月丙午(岩崎本訓))
      2. 「屎つきたり、いとくさくて往いきたらば、中々うとまれなん」(出典:落窪物語(10C後)一)
    2. 疑わしい様子に見える。そのように見える。あやしい。うさんくさい。
      1. [初出の実例]「大方これくさい者、ぬくぬくと駆落ぢゃの」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)二)
      2. 「君赤シャツは臭いぜ、用心しないとやられるぜと注意した」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一一)
    3. 演劇などで、演技が大げさでわざとらしい。転じて、言動、表現などが、いかにもわざとらしくて嫌味である。
      1. [初出の実例]「わざと、そんなクサい芝居をしてると思はれては、たまらないから」(出典:苦笑風呂(1948)〈古川緑波〉ロッパ放談)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 ( 形容詞型活用 )
    [ 文語形 ]くさ・し
    1. ( 形容詞ク活用型活用 ) 名詞あるいはそれに準ずるものに付いて、そのように感ずる意を表わす。
    2. そんなにおいがする。そんなにおいを感じる。「こげくさい」「ガスくさい」
    3. そのような傾向がある。そんなふうに思える。それに似ている。らしい。
      1. [初出の実例]「山寺は法師くさくて居たからず」(出典:栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上)
      2. 「ぐいと秘密臭い気分に誘い込まれた」(出典:格子の眼(1949)〈島尾敏雄〉)

臭いの派生語

くさ‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙

臭いの派生語

くさ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

臭いの派生語

くさ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

臭いの派生語

くさ‐み
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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