墨戯(読み)ぼくぎ

普及版 字通 「墨戯」の読み・字形・画数・意味

【墨戯】ぼくぎ

水墨画。〔宣和画譜、墨竹、詩意図〕閻士安~家世を業とす。性、戲を作(な)すを喜ぶ。(けいか)(いばらと、ひさぎ)枳棘(ききよく)(からたちと、いばら)、崖斷岸、皆妙を極む。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の墨戯の言及

【宋代美術】より

…この時期の華北・江南両地方の山水画は世界の絵画史のなかでも特筆に値する高い水準にあった。北宋後半,文同,蘇軾(そしよく)を中心とするグループの墨竹より興った文人の墨戯は書と画の中間項のような新しいジャンルで,この墨戯の成立という現象は絵画における中国の特異性を示している。江南の董・巨様式は北宋末に米芾(べいふつ)によって再興されるが,李公麟の人物画と同様に,米芾も材料として紙と墨を採用した。…

【文人画】より

…蘇軾は先輩の文同の墨竹を高く称揚し,みずからも簡略な枯木竹石を描いた。こうした墨竹,墨梅など,いわゆる一科の芸としての墨戯は,梅竹蘭などが君子の象徴(四君子)とされていたので,自己の性情を託し表現する手段として宋代文人の間で行われ,他に花光仲仁,揚補之の墨梅,趙孟堅の水仙,王庭筠(おうていいん)(金)の枯木などが有名である。米芾(べいふつ)・米友仁父子の《雲山図》も山水における墨戯といえる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」