壊れ物（読み）コワレモノ

デジタル大辞泉

こわれ‐もの〔こはれ‐〕【壊れ物】

１ こわれた物。「壊れ物を拾い集める」
２ 陶器、ガラスなど、こわれやすい物。「壊れ物につき、取扱注意」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こわれ‐ものこはれ‥【壊物・毀物】

1. 〘 名詞 〙
2. ① こわれたもの。こわれ。〔法華経音訓（1386）〕
   1. [初出の実例]「あとの言葉は、啜り上げる声の間から、句をなさずに、途切れ途切れに、毀(コハ)れ物(モノ)のやうな形で出て来た」(出典：明暗（1916）〈夏目漱石〉一四八)
3. ② こわれやすいもの。ふつう陶器やガラスなどについていう。
   1. [初出の実例]「此娘を或る破砕し易い物、こはれ物、危殆なる物として、これに保護を加へなくてはならないやうに感じた」(出典：青年（1910‐11）〈森鴎外〉一四)

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の壊れ物の言及

【歌舞伎】より

…頭巾，手拭，足袋，紐類などのほか，紙，煙草などの〈消え物〉も含むことがある。　壊れ物（こわれもの）小道具用語。舞台で俳優が実際にこわす器物。…

【小道具】より

…《菅原伝授手習鑑》の〈車引〉の牛，《一谷嫩軍記》の馬，《国性爺合戦》の虎のほか，蝦蟇（がま），ネズミなどの縫いぐるみの動物類，駕籠，御所車，輿，人力車などの乗物も小道具方の扱いである。　日常に使用しているものをそのまま使うときは〈本物〉といい，特別に作ったものは〈拵（こしら）え物〉，使い捨ての消えてしまうろうそく，煙草（たばこ），食べ物を〈消え物〉，こわすことを目的とした皿，茶碗，三宝などを〈壊れ物〉，動く動物，鼻緒が切れる履物，しおれる草花，射られた態（てい）で立つ矢など，あらかじめ仕掛けを施した道具を〈仕掛物〉と呼称している。能，狂言では歌舞伎の大道具に該当する職掌はなく，能舞台に置く塚，建物，舟や車など象徴的な据え道具は〈作り物〉，手に持つ中啓，刀，釣りざお，持ち枝などを〈小道具〉または〈手道具〉とよんでいる。…

※「壊れ物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」