売残(読み)うれのこり

精選版 日本国語大辞典 「売残」の意味・読み・例文・類語

うれ‐のこり【売残】

〘名〙
① 売れないで残ること。また、そのもの。うりのこり。〔和英語林集成初版)(1867)〕
遊女などが客のないために残っていること。また、その遊女。
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「うれ残りまっかなやつが五六人」
女性婚期をのがして独身でいること。また、そのような者。卒業期などに就職できないでいることにもいう。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉婦人独身説の三期「此方は少々売残(ウレノコ)りの気味で、くやしい半分の独立主義」
④ 顔だちの醜い女。〔東京語辞典(1917)〕

うれ‐のこ・る【売残】

〘自ラ五(四)〙
① 売れないであとへ残る。
※雑俳・柳多留‐一四四(1836)「売れ残る妙ふり出しも風を引」
② 遊女などが客のないために残っている。
※雑俳・柳多留‐一四(1779)「売れ残る手のすじだろと遣(や)り手いひ」
③ 女性が婚期をのがして独身でいる。また、卒業期に就職できないでいる。
※俳諧・類題発句集(1774)夏「売残る菖蒲やおのが軒の妻〈小春〉」

うり‐のこ・す【売残】

〘他サ五(四)〙 品物などを売り尽くさないで手もとに残す。ある物だけ売らないでおく。
浮世草子日本永代蔵(1688)二「売残(ウリノコ)せし黒焼を礒浪(いそなみ)に沈めて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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