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此方 コチ

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デジタル大辞泉の解説

こ‐ち【×方】

[代]
近称の指示代名詞。こっち。こちら。
一人称の人代名詞。わたくし。わたくしども。
「―やと言へば、ついゐたり」〈・若紫〉
「そちが知らずは、―も知らぬぞ」〈虎清狂・文荷

こち‐ら【×方】

[代]
近称の指示代名詞。
㋐話し手に近い方向をさす。「此方を向いてください」
㋑話し手のいる、またはその方向にある場所をさす。「此方に来てからもう三年になる」
㋒話し手の近くにある物をさす。「此方も御試着なさいますか」
一人称の人代名詞。話し手自身、また話し手の側をさす。当方。「此方はいつでも結構です」
三人称の人代名詞。話し手のすぐそばにいる人をさす。同等以上の人に用いる。この人。「此方が私の兄です」

こっ‐ち【×方】

《「こち」の音変化》
[代]
近称の指示代名詞。聞き手よりも話し手の方に近い場所やそこにある物、または、その方向をさす。「此方の水は甘いぞ」「此方が大きい」「足音が此方へ近づいてくる」
一人称の人代名詞。話し手自身、または、その周辺にいる人々をさす。こちら。当方。「此方が出向く」「此方にも考えがある」
[名]ある事が起こった時から今まで。以来。このかた。「病気が治ってから此方、健康には留意している」
[補説]近世からみられ、「こちら」よりもくだけた感じの語。

こ‐な‐た【×方】

[代]
近称の指示代名詞。ある地点より話者のいる地点に近い場所・方向などを示す。こちら。こっち。「山の此方
二人称の人代名詞。あなた。
近称の指示代名詞。過去または未来の一時点から話者のいる現在へ向かっての時間。
㋐それからのち。以来。
㋑それより前。以前。
三人称の人代名詞。今話題になっている人。また、近くにいる人。
一人称の人代名詞。わたくし。
「静に―を振り向いて」〈二葉亭訳・あひゞき
「―へ給はらん」〈平家・一一〉
「はい、もう何もかも―のおかげでございますから」〈円地・女坂〉
「『やや、こちの事か。何事ぞ』『―の御事でござある』」〈虎清狂・禁野
「故君の失せ給ひにし―は」〈・橋姫〉
「嵯峨野の御わたりの―に」〈狭衣・二〉
「まづ―の心見はてて、とおぼすほどに」〈・夕顔〉
「その衣は―のにて候」〈謡・羽衣

こんた【×方】

[代]《「こなた」の音変化》二人称の人代名詞。おまえさん。
「―の言ふ事があたり申さない」〈滑・膝栗毛・初〉

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
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編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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大辞林 第三版の解説

こち【此方】

( 代 )
近称の指示代名詞。方向を指し示す。こちら。こっち。「こちらへ」の意のときも単に「こち」といい,助詞を伴わない。 「日下部くさかべの-の山と/古事記 」 「 -,とのたまふを/源氏 若紫」 「いと興あることかな,-もて来/堤中納言 虫めづる
人代名詞。一人称。私。私ども。 「やあやあ,-のことでござるか/狂言・宗論 虎寛本」 「 -ワソラウソフイテイテ,アレコソソノ熟柿ヲバ食ベタレトハネカケウズルニ何ノ子細ガアラウゾ/天草本伊曽保」

こちら【此方】

( 代 )
近称の指示代名詞。「こっち」より丁寧な言い方。
話し手のいる,あるいはそれに近い方向・方角をさす。この方向。 「 -を向いて下さい」 「鬼さん,-」
ここにある物。 「 -がお買い得です」
この場所。 「 -にございます」 「 -に来られて何年になりますか」 「 -は田中さんのお宅でしょうか」
人代名詞。
一人称。相手の側と話し手の側とに分けた上で,後者であることを強く意識していう語。自分の側。当方。 「それは-の知ったことではない」 「 -の言い分はそれだけです」
三人称。かたわらにいる,同等以上の人をさす。このかた。こちらのかた。 「 -がかねて令名の高い小林先生です」 「 -,どなた」 「 -さんを紹介して下さい」

こっち【此方】

( 代 )
〔「こち」の転〕
近称の指示代名詞。「こちら」のくだけた言い方。 「 -に来る」 「 -がいい」
「こちら」のくだけた言い方。特に,一人称。自分。わたし。また,自分の側。 「 -は-で勝手にする」 「 -の負けだ」

こなた【此方】

( 代 )
指示代名詞。
近称。話し手に近い場所・方向などをさす語。こちら。こちらのほう。 「対岸の人々は一斉に-を見ていた」 「立上りながら-を振向き/あめりか物語 荷風
過去のある時から,現在までの間をさす。以来。このかた。 「かしこき御影に別れ奉りにし-,さまざま悲しき事のみ多く侍れば/源氏 明石
未来のある時からさかのぼって現在までの間をさす。それより以前。以前。 「おのがあらむ-は/源氏 真木柱
人代名詞。
一人称。わたし。わたくし。 「なう,その衣は-のにて候/謡曲・羽衣」
二人称。敬意をもって相手を呼ぶ語。あなた。 「何と仰せられても-のではあるまい/狂言・鈍根草」
三人称。話題・関心の中心になっている人をさす。この人。 「かたや小野川,-谷風」 「まづ-の心見果てて,とおぼす程に/源氏 夕顔

こんた【此方】

( 代 )
〔「こなた」の転。近世江戸語〕
二人称。お前。あなた。 「 吞まずと-のその一言でそこいら中がしめつて来るわな/洒落本・道中粋語録」

出典|三省堂
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此方
こなた

片や」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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