壺入(読み)つぼいり

精選版 日本国語大辞典 「壺入」の意味・読み・例文・類語

つぼ‐いり【壺入】

〘名〙
① 壺にはいっていること。また、そのもの。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石停留所「敬太郎も壺入(ツボイリ)ビスケットを見棄てて其後に従がった」
江戸時代上方遊里で、揚屋茶屋で遊興しないで、直接、遊女野郎抱え主の家で遊ぶこと。馴染の深い客のすることとされた。酒を買ってこさせて飲むのではなく、自分で手軽に酒屋にはいって酒を飲む意から出たという。
※俳諧・桜川(1674)夏一「蚊の市も壺入してやさけの酔〈宗旦〉」

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