日本大百科全書(ニッポニカ) 「多霊観」の意味・わかりやすい解説 多霊観たれいかんpolydaemonism 19世紀後半に盛んであった宗教進化論において、アニミズム段階と多神教polytheism段階との間に位置づけられる宗教観(念)。アニミズムは個性もなく名称もない霊的存在への信仰であるのに対して、多神教は個性と名称をもつ多数の神々への信仰である。多霊観は多神教が成立する以前に、やや個性的にして人格的な多数の霊的存在を崇拝した段階を仮定したものである。古くから多霊観と多神教とは重複する概念であると指摘されていたが、今日では多霊観はアニミズムのなかに含められるに至っている。[佐々木宏幹][参照項目] | アニミズム | 多神教 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例