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大レトラ だいレトラ

世界大百科事典 第2版の解説

だいレトラ【大レトラ】

スパルタの伝説的な立法者リュクルゴスが,デルフォイからもたらした神託といわれ,スパルタの国制の大綱を規定したもの。プルタルコスの《リュクルゴス伝》第6章に伝えられており,第13章に記されている三つのレトラを今日〈小レトラ〉と呼ぶのに対して,〈大レトラ〉と称される。〈レトラrhētra〉は〈契約,法律〉の意。〈大レトラ〉の中で,神殿建立,2王,長老会,民会について述べた部分は,前800年ころ,リュクルゴスが貴族政ポリスを成立させたときに定められ,部族とオーバōba(スパルタ人の地域的区分)に関する部分は,前750年後まもなく,アミュクライのスパルタ併合時に付加され,さらに前8世紀後半の第1次メッセニア戦争中に,長老会の優越性を再確認する〈追加条項〉が別に加えられ,以上の全体がデルフォイの神託によって裁可された,と解することができる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の大レトラの言及

【スパルタ】より


[国制と生活様式,文化]
 スパルタの国制や市民の生活規範は,リュクルゴスが定めたとされている。彼とその制度については,まだ定説はないが,大レトラをみると,ポリス成立期には2王制,長老会,最終決定権を有する民会という国家機関が存在した。世襲王制,しかも2王制が存続していたというのは,ポリス世界ではきわめて異例なことであった。…

【リュクルゴス】より

…ヘロドトス,プルタルコスその他の伝承によれば,前11~前8世紀の間におかれる。アギス,エウリュポン2王家のいずれかに属し,クレタ,エジプト,イオニア地方などを旅行して各地の国制を研究し,長い党争と混乱の中にあった祖国に帰ると,貴族を味方につけて党争を抑え,国制の大綱を規定した〈大レトラ〉と呼ばれる神託をデルフォイからもたらして,秩序の回復に成功した。さらに土地の再分配を断行して貧富の差を取り除き,金銀貨の代りに鉄貨の使用を強制して交換経済の発展を防ぎ,一定の仲間と夕食を共にする共同食事の制度を設け,成文法の作成を禁じ,虚弱な赤児は父親にその遺棄を命じ,7~30歳の男子に集団寄宿生活による厳しい訓練を施し,優秀な男性が優れた人妻をその夫と共有することを認めるなど,広範な改革を推進した。…

※「大レトラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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