日本歴史地名大系 「大丸用水」の解説 大丸用水おおまるようすい 東京都:稲城市大丸用水多摩川北岸大丸村一(いち)ノ山の下で多摩川から取水し、細かく分水しながら大丸村・長沼(ながぬま)村・矢野口(やのくち)村・向島(むこうじま)新田を通り、橘樹(たちばな)郡菅(すげ)村・多摩郡中野島(なかのしま)村・橘樹郡上菅生(かみすがお)村・五反田(ごたんだ)村・登戸(のぼりと)村(現神奈川県川崎市多摩区)に至る合計九ヵ村の水田を灌漑する用水。開削年代は不明だが、一七世紀末までには開削されていたことが確認される(延享三年「武州玉川通御見分ニ付御尋之趣申上候書付」佐保田家文書)。この多摩郡と橘樹郡の二郡にまたがる九ヵ村は支配領主の違いを越えて組合をつくり、用水を維持・管理していた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報