水門(読み)ミト(その他表記)gate
sluice

デジタル大辞泉 「水門」の意味・読み・例文・類語

み‐と【門/水戸】

水量調節のため水の取り入れ口に設ける門。すいもん。
水の出入り口内海外海の境をなしている狭いところ。また、大河河口。みなと。
「この―をわたりぬ」〈土佐

すい‐もん【水門】

湖沼貯水池水路などで、水量調節・取水排水船運のため、必要に応じて開閉できるようにした門・扉などの構造物。→樋門ひもん

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共同通信ニュース用語解説 「水門」の解説

水門

防潮堤河川堤防に設けられた開口部のうち、水路をまたぐ施設が水門。人や車が行き来するために設けた門扉陸閘りっこうと呼ぶ。国の調査では、市町村などが管理する施設も含めると水門や陸閘は全国で計約2万7千基ある。自動化された大型施設から小さなトンネルまで、用途や大きさはさまざま。災害時の閉鎖作業は、消防団など近隣の民間団体に委託されている場合が多い。

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精選版 日本国語大辞典 「水門」の意味・読み・例文・類語

み‐と【水門・水戸】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. みなと(港)[ 一 ]
      1. [初出の実例]「稲日野も行き過ぎかてに思へれば心恋しき可古の島見ゆ(一云)湖(みと)見ゆ」(出典:万葉集(8C後)三・二五三)
    2. 水の流量を加減するために、水の取入口などに設ける門。すいもん。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    3. 港湾の船を航行させる水路。みお。みよ。
      1. [初出の実例]「御城米出帆当日之水戸浅深」(出典:酒田湊山田文書(1831)諸事控)
  2. [ 2 ] ( 水戸 ) ( 昔は那珂(なか)川の河港で、水門(みと)と呼ばれていたところから ) 茨城県中央部の地名。県庁所在地。上代から那珂川の河港で、鎌倉初期に大掾(だいじょう)氏が築城、室町時代に江戸・佐竹氏の城下町として開けた。江戸時代に御三家の一つ、水戸藩の城下町となって繁栄。偕楽園・常磐神社・弘道館などがある。明治二二年(一八八九)市制。

すい‐もん【水門】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水量を調節するために、貯水池、運河、ダムなどの水の取入口、水流の途中に設けられた開閉できる門、扉などの構造物。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「城溝(スイモン)の中に水音して、稚児(をさなご)を右手(めて)にさしあげ、潜(くぐ)り出るものありけり」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺)
    2. [その他の文献]〔漢書‐召信臣伝〕
  3. 社寺の中門と堂社との間にある門。本柱および控柱、おのおの二本ずつあり、つまに唐破風のあるもの。転じて、一般に中間の門。
    1. [初出の実例]「すいもんのはしをするりとわたり」(出典:虎明本狂言・酢薑(室町末‐近世初))

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改訂新版 世界大百科事典 「水門」の意味・わかりやすい解説

水門 (すいもん)
gate
sluice

一般には,水の流出入を調節する門扉などの構造物をいうが,河川工学では,取水,排水,通航などのために河川や水路を横断して設けられる流水の調節施設で,堤防の機能をももつものを指す。したがって,洪水時や高潮時に扉を全閉して,堤防の代りとなりうるものをいい,せき(堰)との区別は洪水時,高潮時に堤防の機能を有するかどうかにある。水門は,おもに,低平地において支川や排水路が合流するところに設けられることが多い。それは,本川の洪水が支川や排水路に逆流するのを防ぐためである。しかし,水門を全閉している間は,支川や排水路の水は本川に排出されない。したがって,本川の水位が低い間に,可能なかぎり支川や排水路の水を排出し,水門を全閉した後は,支川や排水路の末端に池を造ってそこに一時貯留するか,ポンプ設備で排水する方法がとられる。高潮に対する防潮水門にも同様な方法がとられる。取水のためや分派点に設けられる水門は,洪水時に全閉すればその機能を果たすことができるので,支川,排水路の合流点における水門のようなむずかしい操作は必要ない。なお,扇状地河川のように急こう配な河川では,支川などへの逆流も限界があるので,その合流点に水門が設けられることはほとんどない。なお,水門と同様の機能を有する河川構造物として,堤防内を暗きょで横断する樋門(ひもん)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水門」の意味・わかりやすい解説

水門
すいもん
barrier
sluice

洪水の支川への逆流や高潮、津波の河川への遡上(そじょう)を阻止するために河川を横断してつくられる構造物。本川の洪水が支川に逆流するのを防止するために支川に設置される逆流防止水門、高潮・津波が河川を遡上するのを防止するために河口付近に設置される防潮水門がある。水門にはゲートが備えられる。水門のゲートは平常時は開けておき、洪水時、高潮発生時、津波襲来時に全閉する。ゲート全閉時に支川の水を本川に、河川の水を海に排水するために排水機場を設置することがある。イギリス・テムズ川のテムズバリア(1984年完成)はロンドンを高潮から守るための防潮水門である。

[鮏川 登]


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普及版 字通 「水門」の読み・字形・画数・意味

【水門】すいもん

閘門。

字通「水」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「水門」の解説

水門

ジョルジュ・シムノン『メグレと運河の殺人』の別邦題。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水門」の意味・わかりやすい解説

水門
すいもん

「ゲート」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の水門の言及

【樋】より

…池水や河水を放出・流下させる水門のことで,〈圦樋(いりひ)〉ともいう。佐藤信淵の《隄防溝洫志》に〈川下の井路筋へ用水を引入れ,或は用水落堀より川中へも落す為に,堤に仕込みて其戸を開闔(かいこう)する者也。…

※「水門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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