水門(読み)すいもん(英語表記)barrier

翻訳|barrier

日本大百科全書(ニッポニカ)「水門」の解説

水門
すいもん
barrier
sluice

洪水の支川への逆流や高潮、津波の河川への遡上(そじょう)を阻止するために河川を横断してつくられる構造物。本川の洪水が支川に逆流するのを防止するために支川に設置される逆流防止水門、高潮・津波が河川を遡上するのを防止するために河口付近に設置される防潮水門がある。水門にはゲートが備えられる。水門のゲートは平常時は開けておき、洪水時、高潮発生時、津波襲来時に全閉する。ゲート閉時に支川の水を本川に、河川の水を海に排水するために排水機場を設置することがある。イギリス・テムズ川のテムズバリア(1984年完成)はロンドンを高潮から守るための防潮水門である。

[鮏川 登]


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精選版 日本国語大辞典「水門」の解説

すい‐もん【水門】

〘名〙
① 水量を調節するために、貯水池、運河、ダムなどの水の取入口、水流の途中に設けられた開閉できる門、扉などの構造物。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※読本・椿説弓張月(1807‐11)拾遺「城溝(スイモン)の中に水音して、稚児(をさなご)を右手(めて)にさしあげ、潜(くぐ)り出るものありけり」 〔漢書‐召信臣伝〕
② 社寺の中門と堂社との間にある門。本柱および控柱、おのおの二本ずつあり、つまに唐破風のあるもの。転じて、一般に中間の門。
※虎明本狂言・酢薑(室町末‐近世初)「すいもんのはしをするりとわたり」

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デジタル大辞泉「水門」の解説

み‐と【門/水戸】

水量調節のため水の取り入れ口に設ける門。すいもん。
水の出入り口。内海と外海の境をなしている狭いところ。また、大河の河口。みなと。
「この―をわたりぬ」〈土佐

すい‐もん【水門】

湖沼・貯水池・水路などで、水量調節・取水・排水・船運のため、必要に応じて開閉できるようにした門・扉などの構造物。→樋門(ひもん)

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世界大百科事典 第2版「水門」の解説

すいもん【水門 gate】

一般には,水の流出入を調節する門扉などの構造物をいうが,河川工学では,取水,排水,通航などのために河川や水路を横断して設けられる流水の調節施設で,堤防の機能をももつものを指す。したがって,洪水時や高潮時に扉を全閉して,堤防の代りとなりうるものをいい,せき(堰)との区別は洪水時,高潮時に堤防の機能を有するかどうかにある。水門は,おもに,低平地において支川や排水路が合流するところに設けられることが多い。

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世界大百科事典内の水門の言及

【樋】より

…池水や河水を放出・流下させる水門のことで,〈圦樋(いりひ)〉ともいう。佐藤信淵の《隄防溝洫志》に〈川下の井路筋へ用水を引入れ,或は用水落堀より川中へも落す為に,堤に仕込みて其戸を開闔(かいこう)する者也。…

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