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谷戸 やと

世界大百科事典 第2版の解説

やと【谷戸】

谷間,湿地のこと。とくに武蔵と相模で多く使われている語。同様の語として鎌倉や下総での〈やつ(谷,谷津)〉,東北地方北海道でひじょうに多く使われている〈やち(谷地)〉がある。いずれもアイヌ語起源とされる。《常陸国風土記》には,谷戸を支配している蛇身の〈夜刀(やと)神〉が現れて,開発を妨害した話が収められている。古代以来,このような水湿の地は水田適地とされ,好個の開発対象となった。谷戸は湧水を用水とすることができ,小規模な開墾が可能であったから,とくに中世には,谷戸のような谷の開田が盛んに行われ,中世の代表的な耕地景観をつくりだした。

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世界大百科事典内の谷戸の言及

【農業】より

…《地方(じかた)凡例録》には撒播の蒔田(まきた)と,株播の摘田(つみた)の2種をあげるが,両者とも田植農法では成熟しがたい悪田での方法であり,〈関東筋山寄等悪地〉で行われるといっている。ここにいう山寄は必ずしも極端な山村ではなく,東海道筋の神奈川宿,保土ヶ谷宿周辺の谷戸(やと)田でも幕末期まで直播稲作が行われている。六角橋村は村内に神奈川宿用の溜池があるが,この水は農業には使われず,村内8町8反の田は全部直播田である。…

※「谷戸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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