大学事典 「大学補助金委員会」の解説
大学補助金委員会
だいがくほじょきんいいんかい
大学への国庫補助金の配分を行ったイギリスの組織。1919年から89年まで存続。1904年の『ホールデン委員会報告書』により設立が提案されたが,大学に対する国庫補助金を一括して受け取り各大学にそれを配分するための中立的な委員会として,政府の諮問委員会から格上げされる形で設立されたのは1919年のことであった。第2次世界大戦後,1946年の『バーロウ委員会報告書』では,大学補助金委員会に大学セクターの計画をさせ,大学を戦後復興の国家的ニーズに応えさせるべきとの提案がなされた。1960年代に相次いで設立されたいわゆる新大学(イギリス)に関しては,大学補助金委員会と同委員長のキース・マレー卿が,それらの大学を経済への直接的な貢献から解放する方向に導いたと言われる。1964年に大蔵省から教育科学省に管轄が移管。1989年に解体,その権限は議会に直接責任を負う新設の大学財政審議会(イギリス)(The Universities Funding Council: UFC)に移管された。
著者: 福石賢一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報