大野出目家(読み)おおのでめけ

改訂新版 世界大百科事典 「大野出目家」の意味・わかりやすい解説

大野出目家 (おおのでめけ)

近世世襲能面作家の家系三光坊弟子大光坊幸賢に教えをうけた是閑(ぜかん)吉満(1616没)が初代とされ,彼が越前大野(現,福井県大野市)に住していたので,出目本家と区別して大野出目家といわれる。彼はのちに京都に移るが,河内家重,古源助らとともに近世初頭の名工といわれた。2代は友閑満庸,3代は助左衛門を称し,4代洞白満喬は初め越前出目家4代元休満永の弟子であったが,この家の養子となり,天下一備後掾を称した。彼は5代洞水満矩とともに江戸中期の面工としては名がある。その家系は10代,幕末まで存続した。
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