大陸制度(読み)たいりくせいど(その他表記)Système continental; Blocus continental

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大陸制度」の意味・わかりやすい解説

大陸制度
たいりくせいど
Système continental; Blocus continental

イギリスに対してとったフランスの経済政策。ナポレオン1世は,トラファルガルの戦いでイギリス上陸作戦に失敗したのち,これに代る手段として,イギリスの商業,産業をヨーロッパ大陸の市場から締出し,経済的な打撃を与えるとともに,フランス産業の大陸支配を樹立するため,1806年 11月のベルリン勅令によって,イギリスとの通商の禁止,イギリスおよびその植民地から輸入される全商品の没収,イギリス船の大陸入港禁止を全ヨーロッパに命令した。これがいわゆる「大陸封鎖」で,この体制はミラノ勅令 (1807.12.) によってさらに強化された。しかし海上権を握るイギリスは,フランスおよび同盟国の逆封鎖をもってこれにこたえ,新大陸貿易の拡大などによって必ずしも大きな打撃をこうむらなかった。しかもこの制度は,イギリスとの貿易を断たれた大陸諸国を苦しめてフランスへの反抗を招き,ナポレオンのヨーロッパ支配をゆるがせる重要な原因の一つとなった。

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