てんぽう‐ちょう‥テウ【天保調】
- 〘 名詞 〙
- ① 江戸時代、天保期(一八三〇‐四四)の俳諧の特徴を呼ぶ語。天保頃になって、俳諧が行き詰まり、内容・形式ともに溌剌(はつらつ)として生気あるものが乏しくなったもの。天保の月並調ともいう。
- [初出の実例]「天保調はのろまが袴を横に穿ちて祭礼の銭集めに廻るが如し」(出典:俳諧大要(1896)〈正岡子規〉六)
- ② 転じて、天保期に流行したような何の新しみもない、非現代的で古風な趣。
- [初出の実例]「其紐の色は、ちと天保調だな」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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