精選版 日本国語大辞典 の解説 てん【天】 勾践(こうせん)を空(むな)しゅうすること=なかれ[=なし]時(とき)に范蠡(はんれい)なきにしもあらず ( 勾践は中国春秋時代の越の王、范蠡は呉との戦に敗れた勾践を助け、再び呉を滅ぼした忠臣の名 ) 天は勾践を見放すようなことはしない。必ず范蠡のような忠臣が現われて助けてくれる。児島高徳がひそかに桜の幹に書き記して、後醍醐天皇に奉った詩の句とされる。[初出の実例]「大なる桜木有けるを、押削りて大文字に、一句の詩をぞ書付けたりける。天莫レ空二勾践一(コウセンヲむなしうスルコトナカレ)、時非レ無二范蠡一(ときニハンレイなきニシモあらズ)」(出典:太平記(14C後)四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例