日本大百科全書(ニッポニカ) 「天津神・国津神」の意味・わかりやすい解説
天津神・国津神
あまつかみくにつかみ
日本神話の神々を、天と地という概念によって二つに分類したもの。しかし、その基準はかならずしも明確ではない。一般的には、高天原(たかまがはら)系(大和(やまと)朝廷)の神々が天津神、葦原中国(あしはらのなかつくに)系(土着氏族)の神々が国津神ということになっている。祭祀(さいし)的氏族の神々が天津神、生産者的氏族の神々が国津神という説もある。なお『古事記』には、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)など5神を「別天神(ことあまつかみ)」(特別な天の神)としている。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)の2神への命令者として重視したのであろう。
[守屋俊彦]