恵比須回し(読み)エビスマワシ

デジタル大辞泉 「恵比須回し」の意味・読み・例文・類語

えびす‐まわし〔‐まはし〕【恵比須回し】

近世初春祝福芸として、首にかけた箱の中で、恵比須人形を舞わせて見せた大道芸人。摂津国西宮の夷宮(兵庫県西宮神社)をその根拠地とした。えびすかき。えびすまい。 新年

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精選版 日本国語大辞典 「恵比須回し」の意味・読み・例文・類語

えびす‐まわし‥まはし【恵ヱ比須廻・戎廻】

  1. 〘 名詞 〙えびすかき(恵比須舁)季語・新年 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「大和の猿引・西のみやの戎(ヱヒス)まわし」(出典浮世草子好色一代男(1682)三)

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世界大百科事典(旧版)内の恵比須回しの言及

【夷舁き】より

…摂津西宮の西宮神社を本拠地とし,首掛けの箱に入れた夷人形を舞わしながら,春の時期に家々を訪れ祝福するとともに,夷神の御姿を描いた札を配った宗教芸能者。夷まわしともいう。鯛を釣る夷の姿は漁家の信仰を得たが,多くは2人1組で簡単な劇なども演じ,天文年間(1532‐55)以降京都に姿をみせ禁裏などにも推参。…

【芸能】より

…のち作者に近松門左衛門ら,語り手に竹本義太夫らを得て人形浄瑠璃は芸術化し,今日の文楽に至る。一方,舞台化の機会をもたぬ人形まわしはなお諸国を遊行して夷まわしなどの名を今日に残す。 古来,日本では,他界神遊行の信仰を基盤に,神の資格を負う芸能者が村々を漂泊し,門口や大道で祝賀のわざを演じる風があり,そのため万歳太神楽猿回し鳥追など諸芸人が各地を巡回し,村々への芸能供給に貢献した。…

※「恵比須回し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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