奈佐原庄(読み)なさはらのしよう

日本歴史地名大系 「奈佐原庄」の解説

奈佐原庄
なさはらのしよう

近世の奈佐原村一帯が庄域であったと思われる。初め後白河院領。のち、永暦元年(一一六〇)後白河法皇が紀州熊野権現を院御所法住寺殿付近に勧請し、新熊野いまくまの神社を奉祀するに及び、同社に寄せられた。応保元年(一一六一)一二月には造酒司が、島下しましも郡の造酒司領大田おおだ(現茨木市)が隣庄奈佐原庄に押妨された由を朝廷に訴えている(「山槐記」同年同月二六日条)。養和元年(一一八一)一二月八日には、当庄は他の同社領二七ヵ所とともに、後白河院庁下文によって勅事・院事以下の臨時の雑役を停止されているが(新熊野神社文書)、正治元年(一一九九)一一月には垂水東たるみのひがし(現吹田市)の寄司らは、加納田のうち「為旁権門被押取田数」に「奈佐原庄三段 今熊野御領」をあげて注進している(同月日「垂水東牧加納田牧役注文」永昌記紙背文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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