套数(読み)とうすう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「套数」の意味・わかりやすい解説

套数
とうすう

中国の旧劇の曲あるいは散曲(さんきょく)で、二曲以上の曲牌(きょくはい)(メロディー)を連ねて一組にしたものをいい、套曲ともいう。並べられる曲牌は通常は同一の宮調(きゅうちょう)(音階)のもので、その順序もある程度決まっている。例外的に他の宮調の曲牌を借りてくることもあり、さらに南北合套として南曲と北曲をあわせて使う形もできてくる。散曲の歌詞はかならず押韻(おういん)を一つの韻で通すが、劇の曲の場合は、元雑劇(げんざつげき)のように一韻で通すものと、南戯のように一套のなかで変化があるものとがある。

[傳田 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の套数の言及

【小令】より

…元代になると詞はすたれて散曲が流行する。当時は一方で雑劇という歌劇が流行していたが,戯曲仕立てでない歌曲が散曲であり,これに套数(とうすう)(散套)と小令の別があった。詞の慢詞に相当するものはなく,短編の独立した小曲を小令と呼び,数曲をセットにした組曲が套数である。…

※「套数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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