歌詞(読み)ウタコトバ

  • かし
  • 歌▽詞

世界大百科事典 第2版の解説

声楽に使われる言葉もしくはそれに準ずる言語的部分は,歌詞,文句,詩,詞章,テキスト,台本(リブレット)などと呼ばれ,民族により,さらに種目によりパターン化した特色が見られる。その基礎となっている発音されるべき言語は本来二つの重要な側面をもっていて,それらの組合せによって会話や音楽が成立している。第1に,言葉がもつ〈響き〉としての分的特徴は母音子音の違いに端的に現れているし,第2に音が連なったときに形成される韻律的特徴は音節(シラブル)の数や長短関係の操作によってリズムや形式といった音楽構造に大きくかかわる。

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大辞林 第三版の解説

主に和歌に用いられて、日常語や普通の文にはあまり用いられない言葉。「小夜さよ」「手折たおる」など。歌語。
歌曲・歌謡曲などの歌の文句。
和歌に用いることば。歌語。また、和歌。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 日常語や散文にはあまり用いられないで、主として和歌に用いられることば。「鶴」を「たづ」、「馬」を「駒」という類。歌語。
※類従本元永元年十月二日内大臣忠通歌合(1118)「覚束ないかにしぐるる空なればうらごの山のかたみなせなり〈略〉かたみなせ也とそへたる詞おぼつかなし。〈略〉ただうらごの山といふに付ていはば、歌詞とも覚ぬかな」
② 和歌の詞書き。
[語誌](1)「万葉集」で、鶴を表わすのに「つる」を用いず、もっぱら「たづ」を用いていること、「土左日記‐承平五年二月一日」に日常語を使った和歌に対する「なぞ、ただごとなる」という批判があることなどから、古くから、散文など日常に用いられる語と和歌に用いられる語とを分ける意識があったことが知られる。
(2)「歌詞」についての意識がより明確になったのは中世以降であり、「歌詞」は優雅なことば、その対立概念である「ただ詞」は優雅でない日常的なことばという考え方が、歌人の間では共通認識となっていったと見られる。しかし、藤原定家は「毎月抄」において、「ただ続けがらにて歌詞の勝劣侍るべし」といっており、一首の歌の中で調和することばであるならば、すべて歌詞と認める立場も生まれてくる。
〘名〙
① 詩歌のことば、文句。また、詩。
※四河入海(17C前)一九「妓女どもが、我が歌詞を歌ぞ」 〔宋之問‐奉和幸長安故城未央宮応制詩〕
② 一首としてまとまった歌のことば。ひとまとまりの和歌をいう。
※万葉(8C後)一七・三九六二・題詞「仍作歌詞以申悲緒一首并短歌」
③ 歌曲、歌謡曲、歌劇などの、ふしをつけて歌うためのことば。
※青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春「歌詞も曲譜も然程の物では無いが」

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世界大百科事典内の歌詞の言及

【歌詞】より

…声楽に使われる言葉もしくはそれに準ずる言語的部分は,歌詞,文句,詩,詞章,テキスト,台本(リブレット)などと呼ばれ,民族により,さらに種目によりパターン化した特色が見られる。その基礎となっている発音されるべき言語は本来二つの重要な側面をもっていて,それらの組合せによって会話や音楽が成立している。…

【歌辞】より

…朝鮮の伝統的な歌謡形式の一つ。歌詞Kasa(朝鮮語では歌辞も同音)とも書き,長歌ともいう。郷歌における第1・第2句,6・6(3・3,3・3)を作者の好みによってほとんど無制限に延ばして歌い(句は3・4,4・4などにもなりえる),終末に至っては郷歌の第3句,3・5~9・6を添尾して完結させる歌形である。…

【朝鮮音楽】より

…わずかに雅楽だけが,1921年に李王職雅楽部として日本の宮内省管轄のもとに保存された。しかし,日本に対する民衆の抵抗の歌として,民謡の歌詞を変えたり,新しい歌謡曲(例えば《鳳仙花》)が生まれた時代でもある。(7)1945年以後 朝鮮は二分され,それぞれ独自の民族音楽の確立と発展の道を歩んでいる。…

※「歌詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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