デジタル大辞泉 「奴詞」の意味・読み・例文・類語 やっこ‐ことば【▽奴▽詞】 江戸時代、奴2や侠客きょうかくが使った言葉。「涙」を「なだ」、「冷たい」を「ひゃっこい」、「事だ」を「こんだ」という類。六方詞ろっぽうことば。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「奴詞」の意味・読み・例文・類語 やっこ‐ことば【奴詞】 〘 名詞 〙 江戸時代、武家に仕えた奴や侠客などが用いた特殊な荒々しいことばづかい。関東方言に基づく粗野な武家ことばの一種で、「涙」を「なだ」、「冷(つめた)い」を「ひゃっこい」、「事だ」を「こんだ」という類。六方詞(ろっぽうことば)。[初出の実例]「蕨の宿にて馬子どもの喧𠵅するを見て、かれが心すなわち奴子(ヤッコ)詞にてよみ侍りし」(出典:狂歌・後撰夷曲集(1672)六)奴詞の語誌( 1 )造語法としては、接頭語をつける例「ぶっこぼす(こぼす)」「つんでる(出る)」や、音を転化する例「ぼったて(追い立て)」「こんだ(事だ)」などがあり、促音化や撥音化に特徴がある。( 2 )当時は奴詞を使った奴俳諧が流行したりして、奴詞の使用者は奴に限られなかった。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例