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任侠に生きる者。この発生の源を尋ねると室町時代にさかのぼり、上方(かみがた)地方に異装をした遊侠無頼の徒が出現していた。「かぶき者」といわれ、人目に触れる風俗、行為を好み、常軌を外れた行動と伊達(だて)者たることを誇りとした。徳川封建時代になると、禄(ろく)を離れた多数の浪人ができた。その社会の内蔵する矛盾に対し、体制に反抗する姿勢の者が多くなり、「強きをくじき弱きを助ける」とか「一諾千金より重し」として義侠、遊侠の行為をする者が増えたが、これらを総称して侠客という。義侠心は人間だれにも大なり小なり存在する感情で、時と場合によっては自分を捨てても他人を助けたいとするものであって、義侠に生きる者こそが本当の侠客であるが、遊侠に暮らす連中は似て非なるものである。しかし一般にはこの概念が混在して使用され、江戸初期に発生した旗本奴(やっこ)、それに対抗して出現してきた町奴をみても、一面に侠的行為があってもその反面には正義の軌道をそれて狼藉(ろうぜき)に及ぶ無頼の徒でもあった。旗本奴の首領水野十郎左衛門が1664年(寛文4)切腹させられてから両者の横行は終息し、それ以後「人入れ」なる職業など親分たるにはどうしても自覚心のある侠客肌の者であることが必須(ひっす)要件で、この種の親分はたいてい侠客とよばれた。博徒をも侠客という呼び方をしているが、侠客なる語には道徳的意義があるに反し、博徒は全然異質な遊民であり、侠気と暴力が乱暴狼藉に走る無法者であって真の侠客とはいえない。
[稲垣史生]
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