精選版 日本国語大辞典 「奴」の意味・読み・例文・類語
やっこ【奴】
やつ【奴】
しゃつ【奴】
つぶね【奴】
ど【奴】
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(1)古代における隷属的使用人のこと。『古事記伝』に「賤奴の二字を夜都古(やつこ)と訓(よ)むべし。賤は良に対する賤にて、是(これ)も奴の義なり」とあり、奴僕、僕の字もあてられている。律令(りつりょう)の制定とともに、公奴婢(くぬひ)、私奴婢に編入され、延喜(えんぎ)年間(901~923)の奴婢停止令によって、法律的身分としての奴婢はなくなったが、富家の隷属的使用人としては存続し、奴ともよばれた。(2)近世において、広義には家臣という意味に使われるが、狭義にいう場合、中間(ちゅうげん)、小者などの下級武家奉公人、奴僕(ぬぼく)の呼称である。行列に供するのを供奴(ともやっこ)などという。(3)戦国末期から慶長(けいちょう)年間(1596~1615)にかけて、武家の奴僕にかぶき者が現れた。彼らは遊侠(ゆうきょう)無頼の徒であるが、しだいに然諾(ぜんだく)を重んじ義侠に富む気風を生じ、奴という名が、奴僕のことでなく、侠気があって腕がたち血気の勇ある者をいうようになった。江戸初期の旗本奴、町奴の源流である。(4)江戸時代、関所破りをした女子、重罪者の妻や娘の籍を除いて獄舎内で使役したり、貰(もら)い下げを請う者に与えて奴婢とさせた。これを奴という。また、私娼(ししょう)取締りのときに捕らえた女を取調べのうえ、奴刑が確定すれば遊女屋に引き渡した。その女を奴という。
[稲垣史生]
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(1)古代の隷属者・従者・臣下などを意味する用語。たとえば君に対する臣を「やつこ」と訓じたり,国造(くにのみやつこ)が国の御奴,伴造が伴の御奴の意であることなどに示される。(2)律令制下の男性賤民を示す用語。官奴・私奴,場合によっては家人(けにん)の男性なども奴とされる。(3)自称。自分をへりくだっていう場合に用い,「やつがれ」ともいう。(4)人をののしったり,おとしめたり,またふざけた呼びかけなどの際に用いる語。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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…これに対し,賤民は不自由民で,私的・公的な権利や利益の享有に制限が加えられていた。〈賤民〉という用語についてはいくつかの理解がありうるが,以下においては,奴婢(ぬひ)や奴隷を含めて,最も広義に解釈することにしたい。 中国における奴婢(奴隷と同義)の起源ははなはだ古く,甲骨文にもみえているが,その発生の状況を明らかにすることはできない。…
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[日本]
古代の賤民。男性を奴(やつこ),女性を婢(めやつこ)と称する。律令制以前には奴隷的な賤民を一括して奴婢と称したが,大宝令(戸令)では,私有奴婢は私奴婢と家人(けにん)(家族を成し家業を有し売買されない上級賤民)に,官有奴婢は官奴婢(公奴婢とも)と官戸(かんこ)(家人とほぼ同じ身分)に分化した。…
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