(読み)ウワナリ

デジタル大辞泉 「嫐」の意味・読み・例文・類語

うわなり〔うはなり〕【嫐】

歌舞伎十八番の一。後妻うわなり打ち風習題材としたもので、原形は元禄12年(1699)江戸中村座上演の「一心五界玉いっしんごかいのたま」にある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「嫐」の解説


(通称)
うわなり

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
嫐染分紅葉 など
初演
明和6.7(江戸・市村座)


(別題)
うわなり

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
一心五界玉
初演
元禄12.7(江戸・中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【嫐打物】より

…離別された先妻が親類知人の女性を集めて後妻(うわなり)のところに乱入するという後妻打ちが江戸初期まで行われた。名称は同じだが,歌舞伎,人形浄瑠璃の〈嫐打物〉はこれを直接脚色したものではなく,主として怨霊による嫉妬の演出の系統をさす。歌舞伎では,江戸で1699年(元禄12)3月江戸中村座の《一心五界玉》に演ぜられたものが最初とされ,歌舞伎十八番の《嫐》の初演とされているが,これは市川団十郎家でこの系統の役を演じた最古の記録というにすぎない。…

※「嫐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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