家庭医学館 の解説
こどものしょくどうれっこうへるにあ【子どもの食道裂孔ヘルニア Esophageal Hiatus Hernia】
食道が横隔膜を貫通(かんつう)する孔(あな)(食道裂孔)が生まれつき大きく、周囲の筋肉や靱帯(じんたい)も弱いため、胃の一部が縦隔(じゅうかく)に脱出する病気です。食道下端にある逆流防止機構が障害されるため、ミルクを吐(は)きやすくなります。嘔吐(おうと)が長く続くと体重が減り、しだいに栄養失調となります。
食道と胃をX線で造影(薬剤を使ってX線に写るようにする撮影法)し、胃の一部が横隔膜より上がっていることがわかれば診断がつきます。
[治療]
上半身を高くした姿勢を保たせ、ミルクは胃に入れた管から注入します(姿勢療法)。そのうちに食道裂孔周囲の組織が発育し、自然に治ります。姿勢療法で効果がないときは、食道裂孔を縫い縮め、胃の一部を食道下部に巻きつける逆流防止手術を行ないます。