精選版 日本国語大辞典 「靱帯」の意味・読み・例文・類語
じん‐たい【靱帯】
- 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] band の訳語 )
- ① 脊椎動物において骨と骨とを結びつけているひも状の結合組織。弾力性に富む繊維の束からなる。関節を保護し、その運動を制限する制動器の役目をする。
- [初出の実例]「靱帯は状(かた)ち膜に似て質は軟骨の如く。或は腱の如く」(出典:医範提綱(1805)三)
- ② 斧足(おのあし)類の二枚の貝殻を連結する帯状のもの。蝶番(ちょうつがい)の部分にあり、貝柱の閉殻筋と拮抗して貝殻を開く働きをする。
靱帯の語誌
「解体新書‐一」(一七七四)では、「蛮度。如レ膜而強」と記され、バンドと音訳されていたが、「重訂解体新書」(一七九八年成、一八二六年刊)では意訳である「繋帯」に改められ、さらに、挙例の「西説医範提綱」では、新訳語として「靱帯」が造られた。その後、他の蘭医書に継承され、定着した。