貫通(読み)かんつう

精選版 日本国語大辞典 「貫通」の意味・読み・例文・類語

かん‐つう クヮン‥【貫通】

〘名〙
① 端から端までつらぬきとおること。また、つらぬきとおすこと。
航米日録(1860)一「此管は六釜より貫通して皆大管一個に合せ入る」
物事最後まで続けること。
筋道意味などが正しく通っていること。また、通すこと。
※仁説問答師説(1688‐1710)宝永三年講「いとをしいと云も心の徳、かなしいと云も心の徳、みな総摂貫通して」 〔朱熹‐中庸・序〕
④ すべてのことをよく理解していること。万事に通じていること。
浄瑠璃天神記(1714)一「日本の大臣わかんの学に貫通し」

つらぬき‐とお・す ‥とほす【貫通】

〘他サ五(四)〙
① 端から端へ、または表から裏へすっかり突き通す。
初め気持や考えなどを変えることなく最後まで守り通す。
方丈記私記(1970‐71)〈堀田善衛〉九「またそうでなければ実行出来なかったであろうし、貫き通すことも出来なかったであろう」

ぬき‐とお・す ‥とほす【貫通】

〘他サ四〙 つらぬいてとおす。つきとおす。つき抜く。貫通(かんつう)する。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「貫通」の意味・読み・例文・類語

かん‐つう〔クワン‐〕【貫通】

[名](スル)
ある物の中を貫いて通ること。「トンネル貫通する」「鉄道が町の中心部貫通する」
広く物事に通じていること。通暁通達
[類語](1突き刺す突き通す突き抜く貫く刺し通す刺し貫くぶち抜く通す縦貫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「貫通」の読み・字形・画数・意味

【貫通】かん(くわん)つう

つらぬく。明瞭になる。〔大学章句、五〕力を用ふること久しくして、一旦豁然として貫するに至りては、則ち衆物の表裏粗、到らざる無く、吾が心の體大用、らかならざる無し。

字通「貫」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android