日本大百科全書(ニッポニカ) 「子持ち銀河」の意味・わかりやすい解説
子持ち銀河
こもちぎんが
りょうけん座にある渦状銀河。りょうけん座のα(アルファ)星(コル・カロリ)付近にあり、肉眼では見にくいが口径10センチメートル程度の望遠鏡で観測すると、ほとんど真上から見える「フェイスオン銀河face-on galaxy」で、渦巻の構造がわかる。渦巻の腕の先に伴銀河(重力的に結びついて互いに回転している銀河の組の大きいほうを親銀河、小さいほうを伴銀河とよぶ)があるので子持ち銀河または親子銀河とよばれる。カタログ番号はM51、NGC5194で、伴銀河はNGC5195。二つの銀河の衝突の可能性が考えられる。本体は2本の腕からなる比較的閉じた渦巻の形状で、その腕にダークレーンとよばれる、星の生成領域である分子雲を観察することができる。M63を含むM51銀河群を形成している。地球からの距離は約2800万光年。実視等級は9等、視直径は11分×8分程度。5月中旬の午後9時ごろに真上の空に見える。
[編集部 2023年2月16日]