渦巻(読み)ウズマキ

デジタル大辞泉 「渦巻」の意味・読み・例文・類語

うずまき[書名]

(うづまき)上田敏中編小説。明治43年(1910)発表。詩人・英文学者として知られる著者による唯一小説
(渦巻)渡辺霞亭による長編家庭小説華族の家督相続争いの中で苦難を乗り越えていくヒロインの姿を描き、人気を博す。大阪朝日新聞連載ののち、大正2年(1913)から大正3年(1914)にかけて、上中下3編と続編の全4巻を出版。舞台化、映画化作品もある。

うず‐まき〔うづ‐〕【渦巻(き)】

渦を巻くこと。また、渦を巻いている水流気体
渦を巻いている形。また、渦を巻いている模様
物事が激しくせめぎ合い、動いている状態。うず。「戦乱渦巻き
[補説]書名別項。→うずまき
[類語]螺旋とぐろ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「渦巻」の意味・読み・例文・類語

うず‐まきうづ‥【渦巻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 渦を巻くこと。渦巻く水流。
    1. [初出の実例]「滝つせのうづまきごとにとめくれど猶尋ねくる世のうきめ哉〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑三・一二三九)
  3. 渦を巻いている模様や形。
    1. [初出の実例]「様々な親指の腹の指紋のうづまきが」(出典:絵本(1930)〈永井龍男〉)
  4. 比喩的に、物事のめまぐるしい動き。また、わずらわしい現象。
    1. [初出の実例]「其の混乱した戦争の巴渦(ウズマキ)の中」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋〉四八)
  5. 菓子の一種。小麦粉鶏卵、砂糖をまぜて薄く焼き、餡を包み、巻いて輪切りにしたもの。
    1. [初出の実例]「いまさか渦巻(ウズマキ)かのこもち」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
  6. うずまきこもん(渦巻小紋)」の略。
    1. [初出の実例]「渦巻(ウヅマキ)をば亀蔵小紋〈略〉と名付けて」(出典:談義本・八景聞取法問(1754)二)
  7. 紋所の名。
  8. 釣り用の毛針の一種。

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世界大百科事典(旧版)内の渦巻の言及

【螺旋(螺線)】より


[数学におけるらせん]
 幾何学的におけるらせんには平面曲線と空間曲線の二つがある。(1)螺線spiral 1点のまわりをぐるぐるまわる平面曲線を総称して螺線,渦巻線,スパイラルなどと呼ぶ。その多くは,極座標(r,θ)を用いて,方程式rf(θ)(fは単調関数)の形で表される。…

※「渦巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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